紅茶日記:2021/10~2022/09

少し前に鼻が悪く病院に行った。私は年に一度、季節の変わり目で副鼻腔炎を発症する癖がある。副鼻腔炎になっちゃって、と伝えたところ、レントゲンを撮られた。
久しぶりの来院だったにも関わらず、医者はレントゲンを二つ並べて見比べながら、「この前と比べてだいぶ副鼻腔炎が悪くなっちゃってますね~」と言う。おかしいな、ここ来たのかなり前のはずだったんだけどな…と医者の見ている画面を覗いてみる。どうやら1年前の前月のレントゲンを参照しているらしい。つまり、1年前のデータを見て、先月に来たものと勘違いしているのだ。
訂正するのも気まずいような思いがして、まあ症状が悪くなっているのは間違いないのだし、特に指摘もしないでおいた。

話がだいぶ回り道をしたが、この日記も更新が昨年の9月に途絶え、そして今年の10月から再開した。そのせいで、一見しっかり更新しているように見える。もしこの日記を読んでいる人がいるなら勘違いしていたままでいて欲しいけど、それは日記としては好ましくないのではないか。自分の一生の中で、1年くらいは省略されてもいいような気はしているが、ともかく楽しかったことは楽しかったと記録しておきたい。
だから、1年間を少し振り返ってみる。

BOOK OF TEAの紅茶を飲んだら日記を書こう、それならばきっと三日坊主は避けられるはずだ。そんな思惑でこの日記を始めた。
しかし私の筋金入りの飽き性は揺るぐことなく、1カ月ほどで坊主は還俗してしまった。そこからというものの、日記を書かないのにこの紅茶を飲んだらだめな気がして、目的と手段を見事に取り違えて日々を過ごしていた。だから、この日記が途絶えている間、BOOK OF TEAシリーズの紅茶は僅かしか飲まなかった。

しばしば、よし日記を書くぞ、と意気込んでこの紅茶を飲んだ日もあった。にもかかわらず結局何も書かず、いつか書こう書こうと思って溜めておいた紅茶のパッケージが19枚ほどある。19枚のそれぞれが1日で、きっとその19日は、なにか特筆すべき良いこととか、楽しいことがあったのだろう。
残念ながら紅茶を飲んだ日のことはもうほとんど思い出せない。飲んだ日とは関係ないが、今思い出せる範囲で、この1年間の楽しかった思い出をダイジェストでどうぞ。


2021年
10月 
好きな実況者のコラボカフェに行く。コラボカフェって初めてだった。美味しかった。一人だと食事量が少ないので厳しい。
11月 
オペラ座の怪人を観に行く。劇団四季ってすごい。
人生で初めて牛の乳を搾った。動物のお医者さんを読んでからずっと憧れていた。太めのスパゲッティくらいの量が出せた。
12月
パーソナルカラー&顔タイプ&骨格診断に行った。これ、当たるタイプの占いだなと思った。自分の体をまじまじと見て客観的に意見を言ってくれるのはありがたい。参考にも勉強にもなったけど、1年経った今は結局好きな色の服を着ている。
2022年
1月
人生で初めて刺繡を始めた。
ラコステみたいにヤドンが刺繍してある服があったら楽しいだろうなと思って作った。その後半年くらいかかったけど完成させた。

ヤドンの刺繍。めちゃめちゃかわいい。

2月
人生で初めてピアスを開けた。毎日つけっぱなしで手軽におしゃれ気分。ずぼらにぴったり。昔は親が厳しかった影響で、30を過ぎた今の今まで開ける勇気がなかった。嬉しい。
3月
歯の矯正を始めた。
隅田川に桜を見に行った。ちょっといいお弁当をデパ地下で買って、コンビニでカップ酒を買って飲んだ。最高の贅沢。
4月
焼いたスコーンがおいしかったのと、手作りの水キムチが大成功だった。
5月
ストレンジシード、SPACと仕立て屋のサーカスを観に行った。仕立て屋のサーカス、すごく良かった。もっと早く行きたかったな。
摘んだよもぎでよもぎ餅をこさえた。これは『小さなお茶会』の影響。あと、実家のご近所さんに山菜取りをする人がいて、昔はよもぎを貰っていた。それで作るお団子の美味しかったこと。
まつ毛パーマと眉毛サロンに行っている。化粧が楽になる。
6月
円盤に乗る派の公演があった。
梅干しを漬けた。あと、アチャールと梅ジュースも作った。
7月
余った梅酢で紅ショウガを手作りした。
鳥貴族のカレー辛麺が美味しかった。辛麺レギュラーメニューにならんかな。
8月
梅干しを干した。今年もよい出来!
免許更新をした。5年前と同じような格好をして行ったら、写真がかなり再現できてしまって面白かった。成長記録みたい。5年後も同じ格好にしようかしら。
9月
引越し先がようやく決まる。4年住んだ今の家が名残惜しかった。次の街もきっと楽しい。

こうやってまとめてみると、なんだか悪くない1年だったように思う。
毎日毎日、悲しいニュースや塞ぎ込みたくなることばかりだと思っていたが、案外楽しく暮らしていたらしい。

とっておいたお茶のパッケージ19枚のうち、この1枚はBOOK OF TEAのものではなく、同じくルピシアで配られているサンプルのお茶だ。
このお茶のことはよく覚えていて、確か円盤に乗る派の6月の公演『仮想的な失調』の時に、観に来られていた方から貰ったものだ。公演が終わった次の日に嬉しくて飲んだ記憶がある。演劇が面白くて、疲れと幸せの中で飲んだ、そんな思い出だ。
覚えている日々も覚えていない日々も、確かにお茶は隣にあった。


さて、この100個の紅茶を飲み干すまで、いったい何年かかるか分からないが、また私の中の三日坊主が気まぐれにやる気を出し始めた。私のほうも日記を書いて坊主に付き合うことにする。